CFHT編
平成14年6月29日〜7月4日
テーマ曲:TUBE "いいじゃん・ハワイアン"(4.6Mbytes)
HAWAII島天体観測編 | 一発旅行 | サーバーホーム

 大学院で宇宙物理学を専攻している一発朗でありますが、特に遠くの宇宙にある銀河に興味を持っております。そこで、韓国の天文学者の方々と共に、ハワイ島のマウナケアという山の上にあるCFHT(Canada France Hawaii Telescope)という望遠鏡で、遠くの銀河団を見つけるための天体観測をすることになりました。果たして、観測は上手くいったでしょうか?

CFHTにて

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6月29日 出発・コナの町

 約半年ぶりの成田空港。夜9時発の日本航空70便でハワイ島コナ国際空港へ向けて出発する。今回は、2日目に韓国人の先生と出会うまでは、一人旅で御座います。
 飛行機が離陸してから7時間ほど経つと、ハワイ諸島のもっとも西にあるカウアイ島が見えた。今回は、行きも帰りも窓側の席だったのが良かった。
 カウアイ島上空を通過してから約45分後、ようやくハワイ島のコナ国際空港に到着。今まで行ったことのある空港の中では、ミコノス空港の次に小さい。このあと、レンタカーを借りに行く。
 レンタカーを借りた後、まずホテルに行ってみたが、チェックイン時間が早かったためにまだ部屋の準備が出来ていないとのことで、とりあえずドライブに出かけた。しばらく車を走らせると、見晴らしの良い場所を見つけたので、そこで休憩した。そこで、タイマーを使ってセルフショット。
 ドライブの後、コナの町をふらついた。コナの町は小さい。ホノルルにいる人間は半分以上が日本人だと聞いた事がある(僕はホノルルへ行った事はありません)が、ホノルルとは異なり日本人率は低いようだ。
 ホテルに戻って部屋に入って、しばらく昼寝をすると、夕方になっていた。夕日を見にまたドライブへ出る。
 しばらく車を走らせると、まわりに民家がない高台を見つけたので、そこで写真撮影。我ながら、出来の良い写真が撮れたと思う。このあとホテルに戻って数時間寝て、ハワイ時間で深夜1時からワールドカップの決勝ブラジル対ドイツ戦の中継がやっていたので、それを見たあと、また寝る。

6月30日 マウナケア山へドライブ・望遠鏡見学

 前日はほとんど曇っていたが、この日はよく晴れていた。とりあえず海の写真を撮っておく。
 上の写真を撮った場所での山の方角の写真。
 そうそう、こちらが今回コナで泊まった「King Kamehameha's Kona Beach Hotel」です。正規の値段だと、最も安い部屋でも1泊$100以上する高級ホテルであるが、CFHTのコネで一泊$75で泊まれた。
 「スターバックス」を見つけたので、入ってお茶をした。ここのトイレへ入ると、マウナケア山にある望遠鏡のひとつであるKECK望遠鏡のポスターが貼られていた。ポスターには「スターバックスから星(スター)を見つめる…」と洒落たお言葉が書いてある。このあと、韓国人の先生と合流し、マウナケア山へ向かう。
 しばらく車を走らせると、信号も何もないところで渋滞が起こっていた。何事かと思い車を降りてみると、前方でアメリカ軍の戦車隊が道路を横断していた。戦車を見るのは生まれて初めて。
 さらに進むと、マウナケア山とマウナロア山の両方が見える見晴らしの良い場所を見つけた。そこで、一緒に車に乗っていた韓国人の先生と降りて、山の写真を撮る事に。
 こちらは我々の目的地のマウナケア山。この山頂に望遠鏡がある。
 こちらはマウナロア山。
 さらにしばらく車を走らせると、マウナケアの山頂へ向かう道の入り口に着いた。この入り口付近で休憩をとることに。
 この辺りは昔溶岩が流れたらしく、冷え固まった溶岩で埋め尽くされていた。
 近くに小屋があったので入ってみる事に。
 小屋には「迷い犬」の貼り紙が何枚か貼られていた。この辺りは先住民の狩猟場で、しょっちゅう狩猟犬がお迷いあそばされるらしい。
 小屋を立ち去り、しばらく坂道を登って行くと、マウナケア山にある望遠鏡で天体観測をする人のための宿泊施設「Hale Pohaku(ハーレポハク)」に到着。ちょっと休んだ後、我々が使用する望遠鏡CFHTでの準備、および、他の望遠鏡の見学を目的に、山頂へ行く事にした。
 こちらがスターバックスのトイレのポスターにあった、「KECK」望遠鏡。口径10mの複合鏡の主鏡の望遠鏡が、2つある。事前にアポイントメントをとっていなかったので、中には入れず。
 こちらは、「GEMINI」望遠鏡。日本の「すばる」望遠鏡(こちらは次の日に見学)と同じ、口径8mの一枚鏡の主鏡を持つ。こちらは中に入れた。
 こちらはGEMINIのコントロールルーム。
 こちらはGEMINIの主鏡。主鏡を収めているドームの大きさにビックリ。
 GEMINIの後、CFHTに向かう途中で日が暮れた。この美しい日の入りを見られて、この人生に悔い無し。
 こちらが、今回我々が観測に使用する「CFHT」の主鏡。CFHTの主鏡は口径3.6m。KECK,すばる,GEMINIと比べると小さいと思われるかもしれないが、世界の望遠鏡の中では十分大きな方です。観測は次の日だが、機器の使い方等の講習を受けた。
 CFHTを後にした後、「IRTF」という望遠鏡に行く。IRTFNASAの望遠鏡で、主鏡の口径は3.0m。主に赤外線の観測を行っている。ここを見学した後、Hale Pohakuに戻って寝た。

7月1日 すばる望遠鏡・観測1日目

 この日は、観測1日目。Hale Pohakuの近くにはいくつか丘があるのだが、夕方の観測まで時間があったので、そのうちのひとつに登った。空を見ると大きな雲が。雲は天体観測の天敵。嫌な予感。
 こちらはHale Pohakuの隣にある、Onizuka center。ここは一般観光客向けの施設で、お土産などが売られている。この日はお土産を買わなかったのだが、韓国の学生さんからHale Pohakuに滞在している人には割り引きがある事を聞き、次の日にお土産を買った。
 こちらはOnizuka氏の像。Onizukaさんはハワイ出身の日系人で、スペースシャトルの宇宙飛行士となったが、残念ながらチャレンジャーの事故で亡くなられた。ハワイ島では英雄とされている。この後、山頂へ向かう。
 この日はCFHTに行く前に、「すばる」望遠鏡の見学へ行く。
 こちらが「すばる」の主鏡。でかい。青い塗装がおしゃれ。この後、CFHTへ行く。
 こちらはCFHTのコントロールルーム。GEMIMIのコントロールルーム等と比べると小さめだが、非常によくできている。翌朝の5時までが観測時間だったのだが、ずっと曇っていて全く観測が出来なかった。泣く泣くHale Pohakuに帰って寝る。

7月2日 観測2日目

 この日、昼過ぎに起きて、昨日とは違う丘に登った。昨日の丘よりも高い。
 この丘からの眺めは素晴らしかった。とりあえず、マウナロア山方面の写真を撮った。
 丘からHale PohakuとOnizuka centerの写真を撮った。Hale Pohakuから先の道がこの写真では見えるが、四輪駆動車以外は通行不可である。この後、再び山頂のCFHTへ向かう。
 再び日が暮れ、観測を開始する。この日は昨日ほど雲は無かったが、湿度が高いために結露で主鏡が痛んでしまう恐れがあるため、途中で観測を打ちきった。結局、予定の32分の1の天体画像しか撮れずに、観測は終了。天文学者に要求されるのは、ウルトラクイズと同じく「知力・体力・時の運」であることを思い知った。
 CFHTの観測を終え、最後に韓国人の先生がアポをとっておいてくれていた「UKIRT」という望遠鏡を見学する。この望遠鏡の口径は3.8m。恥ずかしい事に、実際にハワイに来るまで、GEMINI,IRTF,UKIRT等の大望遠鏡の存在を知らなかった。今回の旅行は、本当によい経験となった。この後、Hale Pohakuに戻る。

7月3,4日 帰国

 朝5時半に起きて、朝6時にHale Pohakuを出発する。この日のフライトは10時45分で、Hale Pohakuからコナ国際空港までは2時間ほどかかるので、こんなに朝早く起きたのである。
 飛行機が離陸する。ハワイ島とはもうお別れ。キラウエア火山等の観光スポットへ行く事が出来なかったので、またこの島に来てみたい。
 帰りの飛行機は直行便ではなく、ホノルルを経由する。ホノルルで1時間ほど待った後、成田へ向けて出発する。写真はダイヤモンド・ヘッド。普通の人の初めての海外旅行先はハワイである(私の初めての海外旅行先はロンドン)が、私は9回目にしてやっと来ました。

 帰りの飛行機も窓側の席で、思う存分景色を楽しむ事ができた。どこまでも青い空・青い海…、最高であります。今回、天体観測が悪天候のために上手くいかなかったのは非常に残念であるが、さまざまな貴重な体験ができたことはうれしいことである。

 次の一発旅行は、10月に学会で宮崎に行く事が確定しております。また、来年の2月に、今度は天文学とは関係なく、完全な個人旅行として東南アジアのどこか(ベトナムが有力)へ行くつもりであります。スペイン旅行以来、原則として一人旅が禁止されているので、同行者求む。



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